【稲を守るために】ジャンボタニシの効果的な駆除と予防策は?方法5選を紹介!
田んぼの静かな水面下で、ジャンボタニシが稲の苗を食い荒らし、米の収穫量を減らしていると思うとゾッとしますよね。
気が付いたころには対応ができず、倒れていく苗を見ながら被害が早く収まることを祈るしかありません…
そうならないためにも、どうすればジャンボタニシからの被害を抑え、稲を安心して育てられるのか、具体的な手順を解説します。
それぞれ実践してもらえれば、きっと多くの苗を守ることができるはずです!
ジャンボタニシとの戦いは冬から始まっている!
田植え後にジャンボタニシの対策をしようとしても、ちょっと難しいです。
すでに活動しやすい環境になってしまっていて、その状態から取り戻しにくいためです。
そのジャンボタニシの特徴として、ポイントは2つ!
- 水深が深いと活発になる。
- 小さい苗はよく食べるが、成長して太くなった稲はあまり食べない。
この2つのポイントを押さえた対策が重要です!
では、どのような対策をすればいいのか紹介していきます。
ジャンボタニシの対策・駆除方法5選
- 冬に田起こしをして凍死させる
- 代かきで凹んだ場所を作らない
- 田植え後、農薬・殺貝剤を使用する
- 水の量を浅く保つ
- 卵を水田に落とす
この5つを適切に実行すれば、かなりの被害を抑えられます。
1つずつ解説していきましょう!
1. 冬に田起こしをして凍死させる
ジャンボタニシは低温に弱く、真冬の気温と乾いた空気にさらされることで動けなくなります。
ちなみにうちの最初の田起こしは2月です。
その後は月1回ペースで田起こししています。
表面から数センチ下にもぐっているジャンボタニシを、田起こしによって地表にかき出され、あとは寒さによって自然に死滅していきます。
トラクターの高速で耕してしまうと、しっかりかき出されず、効果が期待できません。
低速で、しっかりと掘り起こしてジャンボタニシに冷たい空気を当ててあげましょう。
そうすれば、シーズン前にかなりのジャンボタニシを駆除することができるはずです!
- その他の病害虫のリスクを下げる
- 水はけを良くする
- 土壌をほぐし、より肥沃になる
細かいことを挙げればまだあります!それくらい田起こしは重要なんですね!
2. 代かきで凹んだ場所を作らない
代かき作業で凹んだ場所を作らないことが重要です。
凹んだ場所があると、その箇所は水深が深くなってしまいます。
ジャンボタニシは水深が深いと活発になるため、食害や繁殖が進行してしまうんです。
なので、代かき作業で平坦にできれば、ジャンボタニシによる被害を抑制できます。
代かき作業や田植えで、長靴で入った箇所が足跡で凹んでしまうことがあります。
その場合は、クワなどでできるだけ足跡を平らになるようにしておきましょう!
田植え後では、この凹んだ場所を修正することはできないんです。
代かきの時点で、しっかりと平坦にしておきましょう!
トラクターで平坦にできれば、この後の対策がさらに効果的になります!
3. 田植え後、農薬・殺貝剤を使用する
うちでは「スクミノン」という農薬を使用しています。
今回はこの「スクミノン」を使った場合の対策方法を解説します。
ジャンボタニシは水温15℃以上、水深が5cm程度あると、活発になり食べ物を探し始めます。
地区によりますが、日本の平均的な気候であれば5月中旬以降は水温が15℃以上になってきます。
田植え直後に「スクミノン」を散布しましょう。
これにより、苗ではなく「スクミノン」を食べさせ、駆除していきます。
1週間ほど水深をキープしておき、活動しているジャンボタニシの数が激減していればOKです。
もし、まだジャンボタニシの密度が高ければ、2回目の散布を検討する必要があります。
ここでジャンボタニシの数をしっかり減らしておけば、被害はかなり抑えられます!
ちなみに石灰窒素は使っていません。
駆除効果はすさまじいですが、ジャンボタニシを絶滅してしまっては、除草で活用できなくなってしまうからです。
4. 水の量を浅く保つ
苗が大きくなるまでの1か月程度は、水の量を浅く保つようにしましょう!
水深は4cm以下が目安です!
ジャンボタニシは水深が深い環境を好むため、浅くすることで田んぼの中を自由に動き回るのを防ぎます。
この1か月は、徹底して水深を管理しましょう!
必要な水を確保してキープ、雨が降れば水を流して浅くします!
ただ、水深を浅くし過ぎると、田んぼに雑草を生やす原因になってしまいます。
雑草も増えるとかなり厄介なので、浅くすればいいというワケではありません。注意!
5. 卵を水田に落とす
ジャンボタニシの卵を見つけたら水田に落としてしまいましょう。
そう、ピンク色のツブツブしたアレ。
卵は水中に入ってしまえば、孵化することはできません。
ジャンボタニシが発生することは仕方ないですが、卵を駆除して繁殖を防ぐことが重要です。
卵は素手で触ってはいけません!毒があります。
靴かクワなどを使って、直接触れないようにして卵を落としましょう。
番外編. 水田の入り口にネットを設置する
水田の入り口にネットを設置することも効果的です。
地区によりますが、ジャンボタニシが川からガンガン流れてくるところもあります。
細かいメッシュのネットを使うことで、小さなタニシの侵入も防ぎましょう!
うちはそこまで流れてきていないので、ネットまではしていないです。
ただ、水路にジャンボタニシが増えると怖いので注視してます。
ジャンボタニシは雑草を食べて、除草してくれる!
ここまで、憎くて仕方なかったジャンボタニシですが、悪の存在だけではありません。
田植えから1か月後、苗がある程度大きくなれば、苗が食べられる被害は少なくなります。
成長した苗は食べづらく、他に食べやすいものを探すためです。
こうなれば停戦協定どころか、利害が一致し、仲間になり得ます!
「スクミノン」と同時期に除草剤を散布すると、この頃には雑草がちらほら芽を出そうとしてきます。
そうなれば、ジャンボタニシにとっては苗よりも雑草がご馳走になるので、どんどん食べて、除草をしてくれます。
上手くいくかは年ごとに差はありますが、ここまでの対策ができればほぼ問題ありません。
敵だったアイツが、心強い味方になるなんて、少年誌的展開でアツいですよね!
まとめ:冬~田植え後1か月までが戦いです!
ジャンボタニシのタニシの駆除・対策方法について解説しました!
ジャンボタニシのタニシの駆除・対策方法5選!
- 冬に田起こしをして凍死させる
- 代かきで凹んだ場所を作らない
- 田植え後、農薬・殺貝剤を使用する
- 水の量を浅く保つ
- 卵を水田に落とす
番外編として、水田の入り口にネットを設置すれば川から入ってきません。
そして、実はジャンボタニシは雑草を食べて、除草してくれます!
ジャンボタニシの駆除と対策は、米作りをする上で欠かせないステップです。
父も米作りを始めたころは、ジャンボタニシのせいで大きな被害を受けたそうです。
田植えをして「さあこれから!」って時に苗が食べられていったと思うと、絶望しかなかったでしょうね。
そうならないためにも、父と母が改善し続け、今の対策に至りました。
上述の方法はうちのジャンボタニシとの歴史の中で得られた戦果です。
地域差があるとは思いますが、ジャンボタニシで困っている多くの方に、きっと効果があるものであると信じています。
一緒にジャンボタニシに立ち向かい、美味しいお米を守りましょう!
読んでくださり、ありがとうございました!