【プロフィール】僕が兼業農家になった理由
兼業農家という生き方を選ぶことに、難しさや悩みを感じている人も少なくないのではないでしょうか。
もともとは僕もその1人でした。
「どの兼業農家も大変そうだ」「作業する時間がない」「利益が少ない」
そんな話を周囲から聞いていたので、僕自身はとても兼業農家としてやっていける気がしませんでした。
実家は代々兼業農家をしてきましたが、親から田んぼを継承できなくても仕方がないと思っていたんです。
そんな僕でしたが、今は兼業農家として生きていこうとしています。
今思えば、人生どう転ぶかなんて分からないなと感じますね。
僕がなぜ兼業農家になったのか、つらつらと書いていきます。
兼業農家の家庭に生まれ、米が日常に溢れていた子ども時代
僕の住む愛媛の平野部では、稲、麦、野菜などを営む専業農家も兼業農家も多数存在しています。
僕の幼少期は、現在よりももっと多くの人々が作物を育てている光景がありました。
どこの家庭も一丸となって、田植え、稲刈り、もみすりなどの作業を家族で行っていましたし、じいちゃんや父さんも同様で、いとこ家族と一緒に作業をしていました。
家族たちが農作業に打ち込む姿を見て、
「自分も大人になったら米作りをするんだろうなー」
と漠然と考えていました。
周りの友人たちも同じような環境で育ったため、米が当たり前のようにある生活が普通の感覚でしたね。
きょうだい会議で実家を継ぐことに
僕には兄と姉がいます。
ある正月の連休中、兄と姉が帰省した際に、将来の話題が出ました。
兄は東京での仕事に夢中であり、姉も長野に嫁いでいて、その頃の僕は実家住まいで民間企業でサラリーマンをしていました。
それなら、家を継ぐのは次男の私しかいないという結論に至りました。
もともと地元が好きなうえに、実家を継がなければいけないだろうなと考えていたので、何も違和感はありませんでした。
ただ、田んぼについては深く考えていませんでした。
田んぼの今後について親が心配していることも知っていましたが、自分のやりたい仕事を優先しようと考えていました。
そこで、田んぼのことはそのうち考えることにしました。
教員としての出発
僕は中学生の頃から、教員という仕事に憧れていました。
サラリーマンとして3年勤めた後、教員になるための勉強をし、遂に教員になれたのです。
当時は、教員は人気のある職業で倍率が高かったため、合格が決まった瞬間、叫んで喜びを爆発させたことを鮮明に覚えています。
しかし、教員時代は決して楽ではありませんでした。
確かに、これ以上ないほどのやりがいはあったのですが、授業、部活動、生徒指導、その他あらゆる仕事に追われ、休日出勤がほとんどでした。
独身時代は何とかやりくりできたものの、結婚し、子どもにも恵まれ、家族ができたことで、長く教員を続けることは難しいと考えるようになったんです。
教員から転職、サラリーマンに
二人目の子どもが生まれ、教員の僕にはこれ以上の時間的、精神的余裕が無くなってしまいました。
教員は憧れの仕事でしたが、とうとう辞めて転職することを決意します。
転職の狙いは、家族と過ごす時間を大切にできるワークライフバランスのとれた仕事を得ることでした。
数か月の転職活動の末、ありがたいことに営業職として採用され、再度サラリーマンとなりました。
仕事は多いですが残業は少ない環境に身を置けるようになったんです。
でも、子どもたちの将来のことを考えると、今後の家計に不安を感じることが増えてきました。
副業を検討する
家計の不安を解消するためには、お金が必要です。
でも、僕にはお金を稼げるような特別な才能も技能もありません。
副業としてのブログをいくつか試しましたが、うまくいかず辞めてしまいました。
そんなとき、ふと思い出したんです。
いや、お米があるじゃないか!…と。
じいちゃんや父さんも兼業農家をやってきた。
僕もやってやるんだ。
僕たちや身近な人たちに向けてお米を作ることで、少しでも家計を支えていきたい。
兼業農家として田んぼを継ぐことを決意し、妻や親にその思いを伝えました。
僕が兼業農家になったワケ
兼業農家になることをきちんと考えていなかった僕でしたが、決意した理由は次の3つです。
- 少しでも家計を豊かにして、お金で子どもに我慢させないため。
- 代々続く田んぼを親から継承するため。
- チャレンジしたいから。
経済的な収入を増やしながら、家全体の資産を相続し、それが自分のやりたいことにつながり挑戦していく。
それができれば、兼業農家として自分が納得のいく生き方ができるのではないか、と考えています。
農業初心者の僕にとって、想像以上に厳しい現実が待っているかもしれません。
農業は簡単なことではありませんが、苦労を乗り越え、収穫や技術や利益などの成果を手に入れることができたときのその喜びは、とても大きいものだろうと思います。
そうした苦労も成果も、悔しさも嬉しさも、いろんなものを積み重ねて、よりよい自分の人生を目指していきます。
数年もすれば、状況によって頑張る理由も変わっているかもしれません。
その時々で振り返って、なぜ兼業農家を続けるのか、ちょこちょこ考えてみようと思います。
これからも美味しいお米が作れるよう、勉強していきます。
ここまで読んでくれて、ありがとうございましたー!